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第36回大会学会企画ラウンドテーブル

発達研究をすすめる場合のハラスメントの可能性と対処
-実践研究における倫理に焦点をあてて-
『オンデマンド動画配信』のご案内

ハラスメント防止委員会委員長 中島 伸子

去る2025年3月6日にハラスメント防止委員会と編集委員会との共催として開催された、本ラウンドテーブルにつきまして、その一部を期間限定で動画配信いたします。

日本発達心理学会ハラスメント防止委員会では、学会員および学会職員のハラスメント被害・加害を防止するための活動の一環として、大会での企画を実施してきました。本ラウンドテーブルでは、学会活動の重要な一部である発達研究を進める場合のハラスメント防止をめぐる問題、特に実践研究における研究参加者への倫理的配慮のあり方に焦点をあてました。
発達心理学研究では、人の発達に関わる実践に関する研究報告である「実践論文」という論文種別が2022年に新設されたことで、実践現場に関わる人々を対象とした論文投稿、研究活動の増加が期待されています。これに伴い「実践論文」における倫理的配慮も作成され、研究参加者の保護という視点の重要性が明記されています。これまで、本誌の研究報告の大半を基礎研究が占めてきましたが、実践に関連する研究においては、それとは異なる研究倫理上の課題や配慮点があると考えられます。具体的には、どのような点に問題が発生しやすく、どのような配慮をすればよいのでしょうか。
実践研究においては「実践」と「研究」を区別した上で、研究参加者の保護をする必要があります。しかしながらこの線引きは容易ではなく、ともすると、研究者自身も明確に意識できないことが多いものです。そのため、研究参加者側も、「実践」の一環としての参加が強制的に求められていると誤解したまま、本人も気づかぬうちに「研究」に参加する、といった事態が発生しかねません。こうした研究参加に対する強制力は、ハラスメントに発展する危険性があるでしょう。また、実践の現場で活動する人々の間には多様な権力関係が存在します。こうしたこともハラスメント発生の危険性を高めるものと考えられます。
こうした問題意識をふまえ、大会中に下記のお二人から話題提供をいただき、それらの録画を配信させていただくことにいたしました。ぜひご視聴いただき、実践研究における倫理をめぐる課題について、会員の皆様と広く共有できればと考えております。

<動画配信する部分>
・企画趣旨:中島 伸子(新潟大学)
・話題提供1:片桐 正敏氏(北海道教育大学旭川校):「発達心理学研究」の実践論文における倫理的配慮の作成経過と課題
・話題提供2:渡邉 卓也氏#(京都大学医学部附属病院):実践研究で生じる可能性のある倫理的問題、これまで実際に生じた問題、それらに対する対策についての解説

<申し込み方法>
下記リンク先で、会員認証後に動画へのリンクがあるバナー(「第36回大会学会企画ラウンドテーブルオンデマンド動画配信」)が最下段に示されます。そのバナーをクリックしてご視聴ください。なお、動画のURLを第三者に伝えることはご遠慮ください。
https://jsdp.sakura.ne.jp/wsas/member/
●申し込み期限:2025年5月16日~2026年3月31日
●視聴費:無料
●連絡・お問い合わせ:中島 伸子 ハラスメント防止委員会委員長
nobuko●ed.niigata-u.ac.jp
(ご連絡の際はお手数ですが●を@に置き換えて下さい)