ー 学会案内 ー
2022年3月27日より、一般社団法人日本発達心理学会の代表理事を務めさせていただくことになりました秋田喜代美です。一般社団法人化後、子安増生先生、本郷一夫先生、氏家達夫先生に続き4代目の代表理事、学会設立時から数えると9代目の代表であり、女性代表理事は柏木恵子先生に次いで2人目となります。1989年12月の学会設立以来、開かれた学会運営と常に新たな試みに挑戦し続けてきている日本発達心理学会の歴史と伝統をしっかりと受け継ぎ、また会員の皆様お一人お一人の声を聴き、理事、監事、代議員、各種委員会委員、事務局長や事務局職員の皆様と共に、日本発達心理学会のさらなる発展に取り組んでいきたいと思います。
急激に変化する社会、技術革新やコロナ禍で国際的に価値が改めて見直されるグレートリセットと言われる時代において、人の心身の育ちや幸せに寄与する研究や実践がこれまで以上に求められてきています。その中で、代表理事として具体的に取り組んでいきたいと考えていることは、2021年秋に提出した将来構想検討WG ・研究活性化小委員会最終報告を具体的に実現していくことです。本報告は、氏家前代表理事が、学会の将来を構想する必要性から先鞭をつけられ、前期理事会の下で将来構想検討WGが新たに設置され、若手研究者として活躍し本学会の委員会でも貢献してくださっている方たちに参加いただき研究活性化小委員会が組織されました。役員からは、私と成田健一現事務局長が入り、報告書としてまとめたものです。定款3条に定められた学会の目的を「継承性、国際性、学際性、実践性、科学性、効率性」の6視点から吟味検討し、6本の柱「I. 『発達心理学研究』の掲載論文数の増加、II. 『発達心理学研究』の電子ジャーナル化、III. 学術的社会貢献、IV. 国際化・国際発信、V. 一次情報データベース化、VI. その他―様々な研究活性化案」を立て36の改革取り組み事項をまとめています。これらの中には、比較的短期間に実現が可能な事項から、中長期を見据えてさらに具体的な検討が必要な内容も含まれています。特に「III. 学術的社会貢献」に関しては、新たに社会貢献員会を設置し活動を行っていきます。
学会は一人ひとりの自由な意志と自律的な参画による研究の生成と発信・対話・交流によって発展します。ぜひ「私の学会、私たちの学会」として、会員の皆様が各自の専門を生かした独自性ある研究を生成し、多様な人々が「発達を問う」探究的な対話が生まれる知のアゴラとして学会がさらに深まっていくことを願っております。日本発達心理学会は、初代 東 洋理事長の時から30年あまり、常に会員の皆さんが学会活動の主人公となる学会を目指してきています。会員の活動を支え、繋ぎ、発達に関わる専門家ネットワークとして、会員相互が互恵的にインパクトを生み出していけるよう、私ども役員一同力を合わせ、できる限りの努力をするつもりです。どうぞよろしくお願い申し上げます。
2022年4月8日