概要:
社会文化的アプローチの視点から障害のある子どもの発達と支援を検討することをテーマとして、日本発達心理学会「発達障害分科会」12月例会を2019年11月30日(土)に実践女子大学渋谷キャンパスにて行った。参加者は12名だった。講演者は司城紀代美先生(宇都宮大学)と仲野真史先生(東京学芸大学附属特別支援学校)の2名であった。司城先生からは「社会文化的アプローチから考える障害のある子ども」という主題でウィゴツキーの社会文化的アプローチから、実際に特別な支援を必要としている児童の対話過程を例に科学的概念と生活的概念で相互作用があり、指導者がよい聞き手となると子どもの集団としての学びができるきかっけであると映像を見ながらお話をしてくださった。また、仲野先生からは「特別支援学校における子どもの言葉の学び」という主題で3名の小学部の児童の事例を紹介しながら、言葉の学びは活動への参加の変容として捉えられるという内容の講話であった。
概要:
テーマ:遊びを通した発達支援
「発達障害」分科会では、今年度のテーマを「遊びを通した発達的支援」とし、サマーワークショップの初日は千葉大学教育学部真鍋健氏と千葉大学附属特別支援学校菅原宏樹氏を講師に迎え「大人の教育的・介入的意図と子どもの主体性をどう両立・担保させるか」というテーマで特別支援学校での支援の実践を通しての遊びの意義を発表していただいた。2日目は國學院大学人間開発学部結城孝治氏に「遊びを出来事として分析する‐社会的構築物として捉えてみるとどう見えるか‐」というテーマで、保育所における遊びの構造とそこで展開される子ども同士の関係性について発表していただいた。最終日の後半は参加者全体で遊びから捉える発達的支援について議論した。参加者からは活発な意見が出され有意義なワークショップとなった。
概要:
北海道医療大学の鈴木はるみ氏を講師に迎え、子どもと養育者や支援者が交わす、音楽と身体の動きや、声でのやり取り(情動調律)の国内外の研究を紹介しながら、また動画による実際の臨床事例を通して、即興音楽がどのように情動調律に関わっているのかを紹介した。さらに、ドイツの音楽療法士K.シューマッハー博士と発達心理士のC.カルヴェが開発した「音楽を通した関係と情動の発達支援のためのアセスメントと支援ツール〈AQR〉」についても紹介し、AQRを使用した対人関係の発達に困難を示す自閉症児のアセスメントと支援の経過を紹介した。例会後半は参加者全員で即興音楽が自閉症児に与える影響や発達的意味を参加者全員で議論した。
概要: