発達心理学研究
旧編集方針(2008年4月)
無欠点主義からインパクト中心主義へ
2008年4月から、発達心理学研究の審査方針を大胆に改めます。4月から、新たに投稿された論文は、新しい審査方針で審査されます。
まず、審査結果を「掲載可」と「掲載不可」の2種類にします。第2に、審査基準を、欠点をなくす方向から、論文の持つインパクト(その論文がもつ、アイディアや方法、結果の重要性、新しさ、おもしろさ、その論文の試みの今後の発展可能性や新たな研究や議論を喚起する可能性)を評価する方向に変えます。今までなら、「不備があるので修正再審査」となっていたものでも、欠点を補うだけのインパクトがあれば、掲載可と判断するようにします。
インパクト中心主義は、決して、今回の改革ではじめて導入されるものではありません。今回の改革では、創刊時から発達心理学研究の審査の基本方針であったものを、改めて確認したものです。
すでに投稿済みないし審査が進行中の論文については、従来の審査方針にもとづいて、編集作業を継続しますのでご注意ください。ただ、新しい審査方針にもとづく審査をご希望の場合には、新しい審査方針にもとづく審査を受けることができます。その場合、ご面倒ですが、一度投稿・審査中の論文を取り下げてください。その上で、新規論文としてのご投稿をお願いいたします。
審査と編集の迅速化
審査方法、編集体制、および編集手順を改めることで、編集作業の迅速化と編集期間の短縮を目指します。投稿と編集を電子化します。ウエッブ投稿を進め、審査を電子化することで、編集作業がよりスピーディに行えるようになります。
現在、ウエッブ投稿を行うためのシステム作りに全力をあげております。ただ、まだ若干の時間が必要です。ウエッブ投稿システムが完全に稼動するまでの間、投稿はメールでお願いすることになります。システムが完成しだい、発達心理学会HPに掲載しますので、HPをときどきチェックすることをお勧めします。
なお、ウエッブ投稿については、何らかの形でヘルプデスクを設けますので、心配される必要はありません。また、ウエッブ投稿のシステムが稼動するようになっても、当分の間、今までどおりの紙による投稿も受け付けます。その場合、審査に時間がかかる可能性が高いということをご了解ください。
編集の体制をもっと機動的に変えます。常任編集委員と編集委員の区分をやめ、発達心理学研究編集委員会(編集委員会)に一本化します。論文の審査は、編集委員1名(担当編集委員)と一般審査者2名の計3名でおこなうこととし、一般審査者は、会員から選出します。論文が投稿されてきたら、編集委員長と副委員長が、担当編集委員を決め、さらに審査者を決定します。そして、審査結果の判断および編集作業は、基本的に担当編集委員の責任で随時進めます。このようにすることで、最速で投稿から1ヵ月強で、編集委員会からの最初のレスポンスを出すことができるようになります。
会員の皆さんへのお願い
今回の改革の成否は、会員の皆さんの努力と協力にかかっています。まず何より、どんどん投稿してください。審査者は、皆さんの研究のよさを評価基準に、掲載の可否を判断します。したがって、投稿者は、ご自分の論文のインパクトがどこにあるのかが読み手に明確に伝わるように心がけてください。
また、今回の改革では、「掲載不可」は、単に基準を満たしていないというだけの判断です。書き直すことで何回でも投稿できます。「掲載不可」を恐れることなく、またひるむことなく、積極的な投稿を希望します。
審査は、会員にお願いすることになります。皆さんのもとに、編集委員会から論文審査の依頼があったときには、快くお引き受けください。そして、新たな審査方針にしたがって、審査する論文のよさをできるだけ積極的に評価して、掲載の可否を判断してください。