日本発達心理学会

理事長挨拶

初代理事長(第1期-3期)
東 洋

 今日は!私は理事長の東洋(あずま・ひろし)です。 私たちの学会について私が考えていること、心がけていることを並べて見ます。発達心理学は、人が生まれてから生涯を通じて、また人を含めたさまざまな生き物が進化によって、心のはたらきがどのように発達し変化してゆくか、どう行動が変わるかを研究する学問です。
  日本発達心理学会は、発達心理学の研究者たちの強い要望で生まれました。1987年の夏に、東京で国際行動発達学会(ISSBD) の大会があり、世界中から1000人をこえる人が集まりましたが、その時ボランテイアとしてはたらいた若い研究者たちが、日本の発達心理学者が研究を交流する場としての学会が欲しいと考え、それから3年余り熱心に準備して発足したものです。
  開いた学会です。発達心理学を研究したい人は誰でも会員になれます。学歴も、業績も必要ありません。いわゆる学者だけでなく、研究的な姿勢で子どもや老人と接する実務者も歓迎します。大会の時も会員が自主的に提案して行う自主シンポジウムやラウンドテーブル(テーマ懇談会)が非常に活発ですし、年間を通じいろいろな研究部会や地域部会が独自の企画で研究集会を開いています。
  若い学会です。出来てからまだ10年にもなりません。役員にも若い人が多く、会の組織にも活動にも、いろいろ新しい試みをしています。成長中です。創立後日が浅いのに2000人以上の会員数で、20代、30代の会員が多数です。毎年の大会参加者も1000人に及び、年3回の学術雑誌と数回のニューズレターの発行を含め、元気のある学会として定評を得ています。
  けれども大事なのは人数ではありません。この学会を中心として、人間の心の発達や福祉を考える学問と臨床実践が、しっかりと育っているのが私たちのよろこびです。