日本発達心理学会

分科会

フランス語圏発達心理学文献を原典で読む分科会案内

 現在の発達心理学研究者は、英語以外の外国語の心理学文献(フランス語など)を読む機会がほとんどありません。また、読まなくても発達心理学研究をするのに困ることはないように見えます。しかし、英語圏の心理学は現在でもイギリス経験論の伝統に立つものであり、英語文献しか読まなければ、その発想自体を自覚することが難しいのです。それに対し、大陸合理主義の伝統に立つ20世紀ヨーロッパ心理学の発想は英語圏心理学とは大きく異なり、それを学ぶことを通して後者の発想の制約・限界を自覚させてくれます。

 本会は日本発達心理学会との密接な連携の下に、フランス語圏発達心理学文献を原典で読むことを通して、ヨーロッパ発達心理学の発想を学び,日本における発達心理学研究の向上をはかることを目的としています。その目的を達成するため、発達心理学文献の原典講読会を定期的に実施し、必要に応じて本会の趣旨に沿ったシンポジウム等の開催を企画します。

 なお、本会にはフランス語圏発達心理学を原典で学びたいという意欲のある方なら資格、年齢、所属を問わず参加できます。「原典から学びたい」という”意欲”が重要であって、フランス語の学習経験がなくても意欲がある方の参加を歓迎します。フランス語初心者もついていけるように、定例会では共同代表によるフランス語の解説、講読文献内容を要約するセッションを設けていますので、興味をお持ちの方は是非ご参加ください。