日本発達心理学会
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ワークショップ・シンポジウム

2016年度国際ワークショップと公開講演会のご案内

2016年度国際ワークショップ及び公開講演会は盛会裡に終了いたしました。
多数のご参加、誠にありがとうございました。


<国際ワークショップ>
◇テーマ: 青年期の自閉症スペクトラム:大人への移行の援助.
  Youth with Autism Spectrum Disorder: Promoting the Transition to Adulthood.
◇講師: キャサリン・ラブランド先生 Dr. Katherine Loveland(テキサス医科大学)
◇日時: 2016年8月5日(金)〜7日(日)午前
◇会場: 聖心女子大学・3号館4階340講義室
       https://www.u-sacred-heart.ac.jp/access/
◇資格更新ポイント:
  臨床心理士の資格更新ポイント対象です。参加者は2ポイント,
  ショート・プレゼンテーションをした場合は4ポイントが付与されます。
◇参加費: 一般1万8千円、学生1万円。非会員の方の参加費は、
        一般、学生ともに2千円増しです。交通・宿泊費は含みません。
◇懇親会: 2日目に懇親会を開催します(会費3500円程度を予定)。
◇申込方法: 学会ウェブサイト内の申し込みフォームから
  申込フォームのURL: http://goo.gl/forms/XIikLEjvT4
  受付を再開しました(8/1)
◇定 員: 50名
◇ワークショップの概要
 世界の先進諸国で自閉症あるいは自閉症と疑われる子どもたちが増加していると言われていますが、その子どもたちがおとなになった時のサポート体制はまだ決して整っているとは言えません。同時に、未診断の自閉症を疑われる青年や成人たちに対しても、臨床と研究の発展が求められています。今回の国際ワークショップでは、青年期自閉症者の発達的な特徴、青年期の自閉症者の抱える困難とそのニーズ、乳幼児期に自閉症の診断を受けてこなかった未診断者に対する診断評価と治療の問題、自閉症の過剰診断と誤診、自閉症者のスティグマと文化の関係などについて取り上げていきます。さらに自閉症を抱える青年が社会人として成功し、豊かな生活を送るためにどのようにサポートを行っていったら良いかについて、先生のご経験と研究を基にお話していただきます。
 ラブランド先生には、発達心理学の分野で広範囲にわたって数多く論文を発表し、競争資金を定期的に獲得してこられたご経験に基づき、論文の執筆や投稿に関するノウハウについてもワークショップの中で取りあげていただく予定です。国際ワークショップにも公開講演会にも通訳がつきますので、英語はちょっと・・・という方も安心してご参加ください。では、8月に聖心女子大学でお待ちしています!

◇プログラム(現時点のもので、変更になる可能性があります。)
【1日目】
9:30-12:00
 ・Opening Session: Getting to know each other
       (お互いを知ろう:講師と参加者の自己紹介)
 ・Session 1: The Transition to Adulthood in Youth with ASD
       (自閉症スペクトラムの青年の大人への移行)
 ・Session 2: Developmental Issues and Barriers to the Transition to Adulthood
       (大人への移行における発達上の問題と障壁)
13:00-17:00
 ・Session 3: Transition Age Young Adults with ASD: Case Examples and Discussion
       (自閉症スペクトラムの青年の移行期:ケース例と討議)
 ・Session 4: Identifying Previously Undiagnosed Young Adults with ASD
       (未診断自閉症スペクトラムの青年を診断することについて)

【2日目】
9:30-12:00
 ・Session 5: Mental Illness and the Transition to Adulthood in ASD
       (自閉症スペクトラム者における精神病と大人への移行)
 ・Session 6: Stigma, Disability and Culture(スティグマ、障害と文化)
13:00-17:00
 ・Session 7: Research Presentations by Attendees
        (参加者によるショート・プレゼンテーション)
 ・Session 8: Discussion: Dr. Loveland and Attendees
       (講師と参加者による討議)

【3日目】
9:30-12:00
 ・Session 9: Improving Outcomes for the Transition to Adulthood
       (大人への移行の成功のために) 
 ・Session 10: Small Group Exercise and Discussion
       (小グループでの演習と討議)

◇ショート・プレゼンテーションの募集:
2日目の午後に参加者による研究発表(英語)の時間を設けます。発達障害、臨床発達心理を含めた幅広い発達心理学関係のご発表(発表時間は20分を予定)を期待しております。発表者にはラブランド先生から海外での論文発表のアドバイスなどを頂けます。奮ってご応募ください。応募方法・締切については以下をご参照ください。応募者多数の場合には、ラブランド先生に選んでいただくこともありますので、ご了承ください。

申込締切: 2016年7月15日(金)
申込方法: 電子メールでお申込みください。(下記メール送付先に送信してください)
※件名を「ショートプレゼンテーション」として、本文に「氏名・所属・連絡先(メールアドレス)」をご記入ください。
※「発表タイトル、氏名、所属、連絡先(メールアドレス)、200語のアブストラクト」を英語で記入したファイルを添付してください。
メール送付先: jsdp16iws[at]gmail.com [at]を@に変えてください。

◇文献 Readings for Workshop
(事前に読んでいただきたいもの)
・Roux, A. M., Shattuck, P.T., Rast, J. E., Rava, J. A., & Anderson, K. A. (2015). National Autism Indicators Report: Transition into Young Adulthood. Philadelphia, PA: Life Course Outcomes Research Program, A.J. Drexel Autism Institute, Drexel University.

・Loveland, K. (2011). Issues in defining the core features of autism through the lifespan. In D.G. Amaral, G. Dawson, & D. Geschwind (Eds). Autism Spectrum Disorders. (pp. 253-259). New York: Oxford University Press.

(事前に読むことをおすすめするもの)
・Gray, D.E. (2002) ‘Everybody just freezes. Everybody is just embarrassed’: felt and enacted stigma among parents of children with high functioning autism. Sociology of Health & Illness, 24 (6), 734-749.

・Yokoi, H., Kim, S.-Y., Igarashi, M., Komine, Y., & Kato, N. (2014) Present status of ASD from childhood to adulthood and an intervention initiative for adults with ASD in Japan. In J.-P. Raynaud, M. Hodes, & S. S.-F. Gau [Eds], From research to practice in child and adolescent mental health. (pp. 179-198). Lanham, MD: Rowman & Littlefield.

・Yukawa, Y., Ota, H., Kanai, C., Tani, M., Yamada, T., Hashimoto, R.,…Iwanami, A. (2013) Clinical and psychosocial characteristics in adults with pervasive development disorders: A survey in Japan. International Journal on Disability and Human Development,12 (1), 25-29.

<公開講演会>
◇テーマ: 自閉症スペクトラムにおける大人への移行─認知、感情、行動面において.
  ”The Transition to Adulthood in Autism: Cognition, Emotion and Behavior.”
◇講師: キャサリン・ラブランド先生 Dr. Katherine Loveland(テキサス医科大学)
◇日時: 2016年8月7日(日)13:30〜16:30
◇会場: 聖心女子大学宮代ホール https://www.u-sacred-heart.ac.jp/access/
◇定員: 250名
◇参加費: 無料
◇資格更新ポイント: 臨床発達心理士、学校心理士、臨床心理士の資格更新ポイント対象です。
◇申込締切: 参加受付を終了しました

<キャサリン・ラブランド先生(Dr. Katherine A. Loveland)のご紹介>
 キャサリン・ラブランド先生は、自閉症者(児)の社会的感情の発達と神経心理学の研究において世界的に著名な先生です。1975年に米国バージニア州シャーロッツビルで心理学学士、1980年にコーネル大学で実験心理学の博士号を取得後、ヒューストン大学で臨床神経心理学のポスドクとして研究に従事され、現在は世界最大の医療センターであるテキサス・メディカルセンター内のテキサス州立大学健康科学センター/医科大学の精神医学と行動科学学部の教授、また同附属人間発達研究センターと自閉症クリニックの所長を務めていらっしゃいます。世界最大の自閉症研究の学会 International Society for Autism Researchの元役員(2007-2009)でもあり、国際的にも自閉症研究においてリーダーシップを発揮していらっしゃいます。
 さらに発達心理学の分野でも、連邦政府の助成金(NIH)を定期的に獲得し、数多く研究業績を上げておられ、ジャーナルやグラント審査員も多数こなしていらっしゃいます。
 30年以上に渡って自閉症スペクトラム児の臨床に携わってこられましたが、最近では高機能自閉症スペクトラム障害の青年・成人を対象としたクリニックの所長として活躍されています。今回の国際ワークショップと講演会では、先生のご経験をもとに、青年期の自閉症スペクトラムの理論から実践に至るまでの幅広いお話をしていただきます。皆様、奮ってご参加ください。
ラブランド博士の業績等に関しては以下のリンクもご参照ください:
https://med.uth.edu/psychiatry/faculty/katherine-a-loveland/
https://www.researchgate.net/profile/Katherine_Loveland2